【楽曲紹介】One Last Kiss
曲名:One Last Kiss
アーティスト:宇多田 ヒカル
2021年3月10日発売の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』テーマソング。エヴァも映画館で観てきました。ほとんどOne Last Kissのためだったけど(Qから内容理解できなくなったんだもの)。
One Last Kissの歌詞全体としては「一目ぼれした相手がいて、恋が実った。でもいつかはなくなってしまうものだと感じてしまう瞬間がある」という感じ。
宇多田ヒカルの最近の曲では珍しく(おそらく)韻を踏んだ歌詞になっており、リズムに乗りやすい楽曲。
Bメロとサビのフレーズである「忘れたくないこと」→「忘れらないほど」→「忘れられない人」というのが時の流れを感じさせるように思う。
最初は付き合い立てで何もかも楽しい。どんどん二人で忘れたくない思い出を増やしていこう。
次はいつかはなくなる恋かもしれない。でもその時に後悔しないように忘れられないほどキスを繰り返したい。
最後は失ってしまった人だけど、頭からどうしても離れない。離してはいけないほど好きだった人という流れになっていると思う。
私が一番好きなのはCメロの
もう分かっているよ
この世の終わりでも
年をとっても
忘れられない人
というところが一番好き。宇多田ヒカルの曲はこれだと思わせてくれる歌詞だと思う。
叶わないと初めから分かっていたけど、もう約20年(改めて思うと長すぎるな)ずっと好きな人がいる私としてはものすごくグサリとくる。まあ病気のせいもあって、いつでもこの世の終わりだと思っているけど、繋ぎ止めてくれている人でもあるからね。
エヴァの話はあまりネタバレはしませんが、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」は碇ゲンドウが喪失した碇ユイをどうにか取り戻したいということが色濃く描かれていました。TVも旧劇も見たのですが、今回が一番長く割かれていたように思います。またその喪失の感情を持ったままいつまでも引きずっていてはダメだと諭すのが、シンジ君の役割になっています。シンジくんはTV版でいつも何かから逃げている印象が強かったですが、シン・エヴァでは逃げてはいけない、自分のしたことを受け入れてそこからできることを探そうとしている姿勢が見られました。
曲の話に戻りますが、『One Last Kiss』はユイとゲンドウのことを歌っていることは間違いないと思います。宇多田ヒカル本人も今回は台本を読んで作詞をしたと言っていますので。
今までの新劇場版の曲はその都度大まかなプロットだけ聞いて作ったけど、今回は台本を読んで最後のシーンを思い浮かべながら、曲の第一音(イントロのシンセ)からプログラミングと作曲を始めたから、オンライン試写の時にドキッとする絶妙な瞬間に曲が流れ出して嬉しかったなあ✨👩🏻💻✨
— 宇多田ヒカル (@utadahikaru) 2021年4月3日
そしていろいろ考察がされている「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の「:||」について私なりの考察(というか楽曲としての)。
「:||」の意味が「曲の最初に戻り繰り返す」という意味なので、エヴァがループ作品で、何度も繰り返された世界をTV版、旧劇、新劇と描かれているという考察が多かったように思います。
そう思える部分は多くあったのですが、私としては最後のエンドロールが気になりました。
今回の映画の最後では『One Last Kiss』が流れた後に、『Beautiful world』が流れます。序と破のテーマソングである『Beautiful world』の間には、Qの『桜流し』があります。それを踏まえたうえで、『One Last Kiss』→『Beautiful world』が流れたのを劇場で聞いていて、「最初に戻り繰り返す」とはこのことかもしれないなと思っていました。
最後に余談ですが、Youtubeでよく『One Last Kiss』の歌ってみた動画を見るのですが、例えば一番の「忘れたくないこと」の「ない」の部分の音程が少し特徴があるのですが、そこをうまく歌っている人は見る価値があるなと思ってしまう。